tadashiriの日記(仮)

つらそうにしている、人

過激派 ※即興小説

http://sokkyo-shosetsu.com/novel.php?id=345674 元はこちら。未完です。

 

過激派 お題:愛すべき父

 

 オーファーザー、今日も不届きものを連れてまいりました。かれらは外科医と人道主義者です。かれらが今日まで人間を生き延びさせていたものです。しかし人間のなんと憎いことでしょうか。やつらは猫 の上で跳ねるダニであります。そして、オーファーザー、あなたを殺そうとするヒフ癌でございます。かれらをいったいどのように致しましょうか。なんでも おっしゃってくださいませ、ファーザー。

 目を覚ますと見知らぬ家の裏庭のようなところだった。手足を縛られていた。そしてそれは隣に横たわっている白衣の男も同じようだった。少し離れたところで、薄汚い男がなにやら池のような水たまりに話しかけていた。わたしは我々をこんな目に合わせたのは彼であると直感した。彼の腰には鉈が光っていた。どうにかして逃げ出さなければ!そう思ったものの、じたばたする以外ろくに身動きが取れないのだった。白衣の男は目を覚まさない。

 ……なんと!わかりました、ファーザー。かれらに慈悲をお与えになるのですね。そのようにいたします。今しばらくおまちくださいませ。

 薄汚い男がこちらに歩いてきた。わたしは死を覚悟しつつ、白衣の男の方を見た。彼はまだ目を覚まさなかった。ひょっとしたら、彼はもう死んでいるのではないかと思った。それから、わたしの頭上で薄汚い男がにっこりと笑うのを見た。

 いい知らせがあります。君たちの罪は許されました。父なる大地の慈悲に感謝し、そして大いに喜びなさい。君たちは父なる大地の元に帰っていくことが許されたのです。

 わたしと白衣の男は水たまりの方へ足を持って引きずられていった。その途中にスコップが落ちていた。