tadashiriの日記(仮)

つらそうにしている、人

「探偵はBARにいる2」の感想とか

 とりあえず、もうしょっぱなからモチベーションが皆無なんですよね。ツイッターでフリゲ教えてみたいなことを言ったはいいものの、いろいろ来まくったのはありがたいんですが各RTPを追っているうちに心が折れてしまい、気の紛らわしみたいなところで、気が付いたらブログとFGOを開いてしまった。しょうみキチめんどくせえ。FGOはFGOで体力が全然減らねえし。

 で、せっかくだからコンテンツ語りをやっていくべきだろうと思ったので、既にツイキャスでも語っているんですが「探偵はBARにいる2ススキノ大交差点」の話をしようかと。もうツイキャスで語っているのでちゃんとは説明するつもりないです。あとこの映画シリーズには原作小説が存在するのですが、読んでません。東直己に関しても、名前を聞いたことある程度です。

 で、ぶっちゃけこの映画どうよ?という話ですが、局所的に良いし、全体的なノリとかは嫌いでないけど、「俺だけはこいつを愛したい」と熱くなるぐらいの魅力があるわけではないし、ラストに映画全体を前向きに評価しにくくなるぐらいのケチがつく作品という感じです。あれ、結構酷評だな……。

 で、内容に入る前にまず、この映画を観ようと思ったのはなんでやという話をしましょう。金曜ロードショーで一作目やってて、40分ぐらい過ぎたうえで観たんですが、これが結構よかったんです。アクションシーンが程よく緊迫感がなく、「主人公チーム二人対大量のモブキャラ」というシーンが多いんですが、このわちゃわちゃ感が良かった。大泉洋演じる主人公と、その相棒の相田(松田龍平)で、アクションのキャラ付けがちゃんとなされているし、なんか明らか過積載なスノーモービルから敵がゴロゴロ落とされたり。あとちゃんとラストに人が死にまくる(描写はぬるいけど)のから逃げていないのとか良いなと思いました。で、まあすごい面白いわけではなかったけどそれなりに面白いのではないかと思ったのがまず一つ。あとこの作品に脚本で関わっている古沢良太の「キサラギ」がかなり苦手なのもあって、(しかも一作目にも関わっていた)オウオウお前の映画の出来見てやろうじゃねえのと思ったりしてつい借りちゃったわけです(そもそも脚本二人で監督違う人やがなというツッコミもありますが)。(単に探偵ものが見たかったのもある)

 どんな話かというと「私立探偵の主人公の行きつけのオカマバーのサチ子ちゃん(ゴリ)がマジックに凝り始め、そのマジックでテレビ出演を果たした直後に殺される。主人公はサチ子ちゃんを殺害した犯人を追うが、次第に大物政治家(渡部篤郎)の影が浮かび……?」みたいな感じです。

 なんだそれっていう感じのあらすじというか、僕はあんまり面白そうに描写していないしあれなのですが、ススキノのオカマバーから風呂敷広げすぎ感あって、荒唐無稽なコメディミステリ映画みたいな感じしますよね。まじめな人はこの時点でなんだよそれって感じもあるかもしれません。実際にはあんまり風呂敷広がらないんで安心してください。むしろダメか。

一応ほかのヒロインのヴァイオリニスト(小野真知子)が出てくるんですが、わりとこの人途中までかなりどうでもいいすね……。何かこの人は(俺)こと主人公と相田があっちこっち行くのについて来たりして、最後ある過去が明らかになります。

 で、早い段階でわかるのは政治家とサチ子はデキてたんじゃねーの?ってことだったりして、結局スキャンダルを恐れた政治家がサチ子殺したんじゃねーの?みたいなのを追い詰めていく展開になるわけです。で、その裏を取るみたいな展開が結構続き、その間に主人公がヒットマンに狙われて例のわちゃわちゃが始まる、みたいなのが繰り返されるんです。だから見た目は結構派手なところも多いんですが、話の風呂敷はあまり広がっていかないんです。

 

 ところで、こっからネタバレが増えます。というかかなり核心部分に触れます。だって物語構造はかなり良くなくて、とにかく今しがたそういう話になります。

 まずね、この大物政治家とそれに対立する派閥という構造が浮かび上がってくるシーンがあるんですが、そこが最終的に活かされないんですよ。「脱原発に関する~」みたいな説教臭さすらない雑な時事取り入れとか(原作にあるならそれはちゃんとオミットすべきだ)もしておいてですよ。「お前のせいでサチ子は死んだんじゃないのか」と詰め寄る主人公に「それでも立ち止まるわけにはいかない」と返すシーンがあるのにですよ。なんなら政治すらブラフでしかない。だって真犯人の動機が「単なる一方的なヘイト」なんですもの。ここできちんと政治的な対立にしておけば、「目的のために誰かを犠牲にするもの同士の対決、そしてその行為そのものの是非」とかできたのに!

 それに、クライマックスで明かされる謎がヒロインとサチ子の関係で「ヒロインはなぜこの事件に執着するのか」の説明でしかない!エンタメなめてんのか!仮に、これが原作通りの展開だったとしてもですよ、これは本格ミステリ原作とかである前にエンタメ映画なんですよ。したがってクライマックスに明かされることはお話しの盛り上がりを補強したりする作用を持っているべきなんですよ。結末がとっ散らかったからどうにかこうにかして感動に持ってこうというようにしか見えないんですよ。そしてこれ泣くほどの文脈もないんですよ。

 あと最悪だった箇所がもう一つあって、ヒロインがヴァイオリンやめるとか言い出すんですが、その時に「自分の人生が幸せじゃないからって、匿名で嫌なこと言ってくる奴なんか気にするな」とか言うんですよ。主人公が。これお前ら(制作陣)の愚痴だろ!!!飲み屋でやれ!!!

 

 まあもちろん好意的に取れる場所も結構あって。例えば冒頭の方に「三ヶ月ほどセックス中毒に陥り、その間ススキノから姿を消す主人公」というシークエンスがあるんですが、ちゃんと乳首を大写しにするんです。その後指でぐいんぐいん突っついて隠しちゃうのも「もう遅いよw」って感じで笑ったし。で、セックスシーンは「ブラインド越しにセックスする二人→カクテルシャカシャカ→ブラインド越しにセックスする二人→カクテルシャカシャカ→ブラインド越しにセックスする二人→クリーム色のカクテルがとろ~り」っていう演出になっていて、結構笑えましたね。

 アクションも良くて、カチコミシーンで相田が出遅れて、主人公がもみくちゃになっている時に入ってくるんだけど、場所がオカマバーなので、「カラフルなライトとスポットライト→みんな立ち止まる→変な間の後スプリンクラーが回る→相田(強い)が裏口から入ってきて、ひとボケかます」みたいな流れになっていて、キャラの外連が立っていて非常に良かった。その後のアクションシーンの視認性がライトと人工雨のせいでめちゃくちゃ悪いのも笑うし。

 あと車のテンドンネタとか、(布石置きたがりの)古沢っぽい感あるんだけど、これはギャグだしキャラ付けだから好意的に見られたし。

 

 まあこんな感じでしょうか、わりとちゃんとやってしまった…