また無職になります

　四月から勤めていた会社を辞めることにした、職場環境の悪化がやや進んできた（入った頃と相変わらず人は悪くないのだが）ことと、去年末に彼女をふったことので環境を大きく変えてみようかと思ったことが、一応の理由にはなるんだろうな、と思う。

　なにか環境を変えてみるとき、はっきりとした理由を声高に言うのはあまり好きではない。ないけど、何もコンセプトがないと聞き手はだるいだろうし、仕事を辞める理由を根掘り葉掘り聞かれるのもだるい。

　実際、「新しい環境に身を置き経験を積みたい」も間違いではないし、「なんとなくだるかった」も間違いではない。でもだいたい何かを決める時、その理由はもっとずっとなんとなくだと思う。仕事に身が入らない午前中に、「昼は絶対にインドカレーにしよう」と思うのと同じくらいの、なんとなく。直感と言い換えてくれてもいい、なんならその方が仕事が出来る人間には見えそう。ただやはり、理由として口にされるものは、その直感の上に漂っている混沌の雲を、簡略化した記号でしかない。なんていうか、悩みがはっきりとした形をもって現れることなんて稀だと思う。

　それで、貯金も全くないから、さっさと次の仕事を決めねばならんが、色々あって事前に取っていた（といってもシフト申請時にあった予定がなくなっただけ）連休は起きたら昼で、布団から出る気がするころにはハローワークが閉まる時間になっていた。連休中ですら、過去に無職だったころの習慣を取り戻している。性格というか体質だと思うし、心療内科にかかった方がいい気もする。

　それでも鶏ガラを炊く元気だけはあったので白湯風の濃いスープにした、鳥貴族の〆のやつに似ている。家で消費される気配のなかった五香粉を使ったチャーシューを煮て、それはうまくできたが、親指をざっくり切ってしまった。神経が集まっているところを切るととにかく痛いのですごい。ちょっと包丁が苦手になった。けが自体は仕事に支障はない程度だと思う。あと何回もないので、できれば休まないようにしたい。いや、本当のところは休みたいが、金に困るので。あ、寝ます。おやすみなさい。